第56章 わたしたち
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第二ラウンドは先程よりもハラハラドキドキの勝負となった
勝つために、心理戦をふっかける者、笑顔で圧する人などなど……
途中から木兎さんのリポートも混ざった
一番驚いたのは赤葦さんだ
最後、菅原さんからババを引き継いだ赤葦さんはそれを持ち札に混ぜたあと、ぴょこんと一角だけ飛び抜けさせた
そう、初戦での木兎さんのように
そして海さんに「すみません、おねがいします。引いてくださ」と手札を掲げ、その腕の間に頭を埋め、懇願した
さすがの海さんも「そうくるとはね……」とひるむ
しかし、どこまでも菩薩な海さん
取ってくださいとプライドを捨てたような真似をしているのだ、そんな人を放っておけるわけでもなくて
海さんは、そのカード、ジョーカーを引きぬき最下位を代替したのだ
木兎さん
「おぉおおお〜〜〜
そこそこそこ……、きもちいいい〜」
海さん
「ここかな?」
そして今、勝手に始まった王様ゲームによって海さんは木兎さんの腰を揉む
葵
「海さん、お手伝いしますね♬
木兎さん、特別に私も揉みますね」
にこやかに私は海さんと木兎さんの横に踊りでた
海さんは「いや、いいよ」と言いかけて口をつぐんだ
木兎さん
「まじか!じゃあ頼むわ〜」
うつ伏せになっている木兎さんは知らない
葵の笑顔に、黒い含みのあるものであることを………