第56章 わたしたち
「お、ラッキー」
そう言って菅原さんは大地さんから取った手札と自分の手札を合わせて捨てた
そしていよいよ私の番だ
菅原さんが笑顔で私に手札を差し出す
ジョーカーは海さんが持ってる
なんの緊張感もない
菅原さん
「ほぉら、葵!
取って取って」
では、と私がある一枚を取ろうとする
と
ニコリと笑う菅原さん
あ、あれ?
これ、ダメなやつ?引いちゃいけないの??
え、でもジョーカー海さんのところだよね
あ、もしかしてキープ?キープしたいのかな??
その隣の一枚を引こうとする
ニヘラァ、と笑う菅原さん
これもダメ、なのかな??
段々わからなくなってきたぞ……
むむむ………
葵
「よし、これだ!」
スポーンと一枚を引きぬいた
手札と検討する
あった!
よっし!
なんか、どっと疲れちゃったな……
隣の木兎さんに手札を出す
木兎さんは「どーれーにーしーよーうーかーなー」、「うーん、やっぱこっち!!」と喚きながら取っていく
そして、赤葦さんがまた木兎さんから手札を取り出す番になった
赤葦さん
「俺、毎回木兎さんからひくのか……」
木兎さん
「文句あるのか?」
赤葦さん
「いえ、ないですけど
いやもう、誰が相手でも嫌ですし」
・
・
・
・
海さんが一抜けし、私は二番
今は勝ち抜けたみんなで菅原さんと赤葦さんの最下位争いを見守っている
菅原さんが勝ち抜き、赤葦さんが最下位となった
これで終わった、そう私もそう言いかけた赤葦さんも思った
が、木兎さんは笑って
「よかった、俺最下位じゃなくて!
一番弱いとか恥ずかしいよなー!!」
カードをまとめていた赤葦さんはトン、と机で整えると目を伏せたまま静かに告げた
赤葦さん
「さて、もう一回やりましょうか」