第56章 わたしたち
葵
「晩御飯は食べれましたか?」
木兎さん
「おう、バッチリ
何してるんだ?」
葵
「壁打ちですね、今は」
木兎さん
「壁打ちはいいけど、壁に穴開けんなよ?
津田、サーブ強いんだからよ」
いかつそうなミミズクヘッドに似合わぬ人懐こそうな笑顔を浮かべる木兎さん
葵
「そういう木兎さんこそ」
木兎さん
「そう?そう??
ま、何てったって俺は最強だからな!」
この人ほんとに高校三年生なのか……
小学生に見えるよ
けど、面白い人
木兎さん
「あ!なぁ!!
俺と一対一やろーぜ!」
葵
「い、一対一!?
どうやるんですか」
木兎さん
「フツーに
俺動き足んねーんだよー
赤葦はつれねーしー
俺、お前とやってみたかったんだ!な?いいだろ?」
葵
「い、いですよ
やりましょう」
なんか、ノリでオッケーしちゃったけど楽しそうだからいっか
二人だけでネットを挟む、バレーでは異様な図
ルールは三回までボールに触れられ、相手に返球すること
床にボールを落とせば負けだ
葵
「では、いきますよー」
サーブから始まる、特別ルールの二人バレー
木兎さん
「っしゃ、こーい!!」