第56章 わたしたち
エンドラインの上にペットボトルを並べていく
両端、中間付近、そのまた中間
そして、反対側のコートへ対峙する私
ボールカゴを自分のそばに置いて、私はサーブの構えをとった
キュキュキユッ
ダンッ!!
中々、威力を保ちながらのコントロールは難しいものだ
葵
「ふぅ………
難しいな…………けど、」
すごく楽しい
サーブとアタック
これをどの方向からも、どんなボールでも打てるようになれれば
たとえレシーブミスをしたり、ブロックアウトになりそうな場面になっても対応できる
ある程度、サーブを練習すれば壁打ちに切り替える
葵
「弾道を読むのも………案外難しいな」
打つ場所や、打ち方によってボールは全く予想のできないところへ飛んでいく
顎を滴る汗を拭いながらボールを壁に打った
「おい」
葵
「!!」ビクッ
後ろを恐る恐る振り返る
葵
「………木兎、さんか」