第55章 そして少年少女は気付かされるだろう
研磨の視線は、またゲームに注がれる
私は、頭にいくつものハテナマークを浮かべる
葵
「それって……」
誰?と聞こうとしたとき、研磨が小さく「あ。」といった
私も同じようにゲームに視線を落とす
葵
「あらま」
ゲームの中の私はモンスターに飛びつかれて、その場に倒れていた
ガララッ!
葵
「ひっ!!」
教室の扉が勢い良く開け放たれて、ぞろぞろと音駒の部員たちがそれぞれの自主練を終わらせて帰ってきた
葵
「お、おじゃましてます……」
クロ
「葵来てたのか
って、お前らまたゲームかよ……」
葵
「楽しいよ
バレーの次くらいに」
クロは至って普通に接してくれた
だから、私もなるべく普通に接した
少しだけ、胸のうちには気まずさが残るけど……
それでも、今までの関係が崩れなくてホッとしている自分がいる
クロ
「そーかそーか
じゃあそのゲームよりも楽しいバレーに明日から付き合ってもらおうかね」
クロの何考えてるかわからない顔が私を見る
いや、この顔をする時はクロは
クロは悪巧みしか考えてない
あれ、もしかして私
明日からゲームできなくなったりするのでは??