第55章 そして少年少女は気付かされるだろう
葵
「………繋心だって、そう思ってるんじゃない?
蛍は、バレーが嫌いなわけじゃない
じゃなきゃ、こんな苦しい練習をするような運動部には入らない
だから、蛍には何かあるんじゃないかな?
自分を守りたいと意識せずにするのは誰だってそう
そうさせる経験があれば、尚更で、それを経験した事象に対しては過剰になる
それが、バレーなんじゃないかな?蛍にとって」
繋心
「………お前は、ホントに選手をよく見てんだな」
葵
「当たり前でしょ?
仲間を気遣うのは、仲間のシゴトなんだから」
私はメンバーを応援しに、控えに歩んでいった
武田
「……彼、雰囲気変わりましたね」
繋心
「そうなのか?」
武田
「はい
初めの頃は、どこか月島君に似ていましたから
きっと、彼の中で何かが変わったんですね」
繋心
「そうだな」