第53章 アンバランス
月島side
それは昨日のことだった
「あ!チョットそこの!烏野の!メガネの!」
第三体育館の前を通った時、中から声が聞こえてきた
まわりにメガネの、は僕しかいないし、まず人自体僕しかいない
扉の方へ首を向けると、中に梟谷学園の主将と、手招きする音駒高校主将
黒尾さん
「ちょっとブロック跳んでくんない?」
音駒主将もとい、黒尾さんが誘ってくる
僕はすかさず断った
すると梟谷主将、木兎さんは困り顔でこう言う
木兎さん
「ブロック無しでスパイク練習しても意味ないんだよー
頼むよー」
「何で僕なんですか
梟谷の人は――」
黒尾さんの後ろから顔を出した梟谷副主将、赤葦さんが、木兎さんのスパイク練は際限がないから逃げたと言った
そして、付け加えて
赤葦さん
「さっきまでいたんですけどねぇ……」
木兎さんも赤葦さんの言葉に反応する
木兎さん
「そうだよ〜
黒尾が葵を怒らせるから〜」
は?なんでそこで葵がでてくんの?
こっちだって、この前から変な関係なのに
黒尾さん
「チョット2人して俺いじめるのやめてくんない!?
俺だって、ちょっと傷ついてんだからな!」