第53章 アンバランス
蛍と2人、さっきのスイカを皆で食べていた場所へ戻ってくると、まだ皆はスイカを頬張っていた
内心、どれだけスイカあるんだ、とツッコミ
けれど、こうして見渡してみると………
影山はリエーフや田中さんなどと一緒に種飛ばしをしているし、研磨もモシャモシャとスイカを頬張っている
それはそれは、おいしそうに
みんな、和気あいあいと仲良く楽しくしているのを見て、新鮮だなぁってしみじみと思った
それに、普段よりメンバーの顔が明るい気がする
蛍
「なに笑ってるの?気持ち悪いんだけど」
葵
「みんな、いつもと違って見てて面白いなあって」
いつか、インターハイ地区予選勝ち抜けば、オレンジコートというでっかい舞台で戦うかもしれない相手達
でも、そんなこと気にせず接している
不思議で、それでいてなんだか安心するような
葵
「なんだか見てたら食べたくなっちゃった!
蛍!スイカ一緒に食べようよ!!」
蛍
「は?嫌だけ――」
葵
「とってくるね!」
蛍
「ちょっと!………はぁ
人の話最後まで聞けないの?」