第53章 アンバランス
烏野は今日もひたすら裏山の坂道ダッシュ
葵
(………蛍、かなりしんどそう)
後ろからでも足の運びが重そうなのが分かる
だけど、中々自分の口から言葉が出ない
このままだといつまでたっても気まずいまま
そう頭ではわかってるんだけど、口に出して言えない
今までどうやって喋ってきたんだろう?
大地さん
「葵、いけるか?」
葵
「あ、はい
まだいけます」
マネージャーさん達が父兄からのスイカを持ってきてくれた
でも、あんまり喉を通らなかった
どこか、涼しいところへいこう
そう、人気のないどこかへ
私は陰を探しに歩いて行った