第52章 表と裏
「おーい ………おーい!!
起きろー!!」
葵
「んぇ………?ここ………どこ………??」
瞳に日光があたり、眩しさで目をくらませる
ごしごしと擦りながら、あたりを見回した
西谷さん
「まだバスの中だぜ!
もうすぐ着くから起こしたんだ」
葵
「す、すみません!!
重くなかったですかっ!?」
西谷さん
「ぜーんぜん!」
葵
「なんか、ひざ枕してもらう為にきてもらっちゃった感じになってしまってすみません………」
西谷さん
「気にしてねーよ!
俺、楽しかったし」
葵
「うぅ………
ほんとにすみませんでした……」
西谷さん
「ほら、着いたぜ!!
がんばろーな!葵!!」
葵
「はい!」
バスがとまる
扉をあけるとより一層差し込む太陽光と、押しこむ熱気
そして、爽やかな風
葵
「………いい天気」
東京、私立森然高校前
その地に足を降ろした