第52章 表と裏
西谷さん
「なあ、隣座っていいか?」
葵
「えっ、あ はい」
西谷さんはそろりと立ち上がり、通路側に座っている田中さんを起こさないようにしながら私の席の隣に座った
西谷さん
「いつも朝早いとどうしても目が冷めちまうんだよなぁ~」
ニカニカ笑いながら西谷さんは極力声を抑えて喋る
西谷さん
「葵も?」
葵
「いえ私はいつもはもう少し遅く起きるんで……」
西谷さん
「もしかして俺起こしちまったか?!」
葵
「いえっ というより西谷さんは何時から……」
西谷さん
「多分葵が起きる30分くらい前だな」
葵
「ふわぁ………」
西谷さん
「寝足りねぇのか?」
葵
「いえ、だいじょうぶ……です」
止まらないあくびに涙が溢れそれを指でぬぐう
西谷さん
「ほら!俺の肩貸してやるからもうちょっと寝ろ!」
葵
「そんな……悪いです……」
西谷さん
「いいって!ほら!!」
ぐいっと頭を掴み取られそのまま西谷さんの方へ引き寄せられる
葵
「んん……じゃあ、お言葉に………甘えて………
すみま………せ…クー」
西谷さん
「おう、おやすみ葵」
なぜか肩ではなく膝の上で眠ることになっちゃったけど
なんか、心地よかった