第52章 表と裏
ふと、窓を見るとまだ出ていない陽の光で東の空は徐々にその藍色がうすい赤色になっていた
ピンクにも似た例えようもないきれいで美しい色
そして、日が昇る
葵
「うわぁ………」
思わず感嘆の声がもれる
「きれいだな」
葵
「!?」
いきなり声がしてびっくりしながらその声の主を探す
それは、私の後ろの席に座る西谷さんだった
隣では田中さんがグースカ眠っている
葵
「………はい、すごく きれいです」
西谷さん
「俺さ、いつも朝焼け見てるけど
やっぱ、飽きねえよな………
いつみてもきれいだ」
葵
「朝早いんですね」
西谷さん
「いつも走ってるからな」
葵
「僕も走ってはいるんですけど、いつも朝焼けとか注意して見てなかったので………
ほんとに きれいです」
朝焼けに照らされる西谷さんの顔も、きれいだと思った