第51章 1週間ぶりに帰ってきたらとんでもないことになっていた
葵
「はっ!!」
バシィン……!!
ボールは旭さんの元へ
旭さんはそれを、受けた
葵
「ありゃ失敗………」
大地さん
「くるぞ、葵」
菅原さんがトスをあげ、旭さんがアタックすべく飛び上がる
ネットから出てくる旭さんは、某アニメの壁からにょきっと顔を出す巨人のよう………
迫力がある
ドゴオン!!
葵
「っ!!」
重た……!!
ビリビリと腕に痺れが走る
それでもかろうじて上げることができた
腕、もげるかと思った
葵
「大地さん!トス上げるので打ってください!!」
大地さん
「えっ!?お、おう!」
私が上げたボールを大地さんがカバーし、続けて私のトス
本業のセッターには性能は劣るかもだけど、私だってトスは上げられる
ふわり
ボッ!
葵
「どうでした!今のっ」
大地さん
「打ちやすかったよ」
菅原さん
「葵セットアップ、静かだな〜」
葵
「菅原さんには敵いませんよ〜」
私はふと思った
3年生と、こうしてバレーをすることも
話すことも
来年になったら出来ないんだ
当たり前だけど、卒業しちゃうんだよね
それは、寂しい
せめて、このチームで同じ景色を見たい
そして、その景色を見るなら頂上がいい
頂上から眺めを、感動を、みんなと分かち合うんだ