第50章 各々の休息
日向と影山が喧嘩してしまった夜
私は荷物をまとめ、夜行バスに乗って東京へ向かった
揺れるバスの中で私は色々と考えた
さっきの乱闘のことを考えたり、これからのことを考えたり、この先のことを予想したり
全く眠くなかった
あんなことが起きてしまって、眠れるわけがない
葵
(もう少し、いい方法があったかもしれないのにな……)
窓枠に頬杖をついて、曇り空を眺めていた
シンとしていて、冷たくて無機質な空
高速道路の外灯の明かりが顔を照らしては通り過ぎていく
葵
「………みんな、元気かな……」
そう呟いて、いつの間にか目は閉ざされていた