第49章 進化には何がいる?
日向
「影山 ………トス 上げてくれよ」
それは、とても懐かしいとさえ思えてしまう会話のような気がした
毎日顔を合わせれば、喧嘩かバレーのことしか話していないがそれでも忙しく通わせる声を
体育館の灯りをつけて、日向達はネットを張ったりボールを取ってきたりと準備をする
葵
「手伝うよ」
日向
「サンキュ」
やっちゃん
「あれ、二人はまだ帰らないの?」
ひょっこりと体育館のドアから顔出すやっちゃん
日向
「………谷地さんよかったらちょっとだけボール出ししてくれない?」
やっちゃん
「え"っ!?私にできる!?」
日向
「影山の頭上に山なりにボール投げるだけ」
やっちゃん
「う ウス!
やってみる!」
私もやっちゃんにボールを渡すお手伝いをしながら、二人を見ていた
日向はボールに気を取られ、いつもよりも低く跳んでいる
そしてそれがズレとなって、ボールを打てていない
「もう一回ッ!!!」そう叫ぶ日向の声は何度目だろう
影山
「このできるかわかんねえ攻撃を繰り返すより
今までの攻撃とかサーブとかブロックとか
他にやること 山程あんだろうが!」
日向
「―でもおれは
この速攻が通用しなきゃコートに居る意味が無くなる……!」
影山
「だから この速攻にお前の意志は必要無いって言ったんだ!
俺がブロックに捕まんないトスを上げてやる!」
日向
「それじゃあおれは 上手くなれないままだ!」
これ、危ない
ヤバい展開になる気がする……