第49章 進化には何がいる?
日向と菅原さんがもうすぐ試合ということで体育館の中へ入っていく
もちろん私も入らなくてはいけないけど、それは後回し
葵
「繋心」
そこで驚愕する彼と話をしたい
繋心
「葵……
お前に少し、話があるんだけどよ……」
葵
「話は聞いていたよ」
繋心
「お前は、どう思う」
葵
「日向のこと?それとも、速攻のこと?」
繋心
「全部」
葵
「……じゃあまず、速攻について私は日向派
理由は単純 スパイカーは何のためにボールを打つのか」
繋心
「何のためにって、そりゃぁ攻撃する為にだろ」
葵
「違う スパイカーは勝つためにボールを叩く
じゃあ、セッターは何だと思う?」
繋心
「司令塔だろ?」
葵
「そう、チームの司令塔
だけど、私は思うんだ
セッターって、司令塔の前にスパイカーが気持よく打てるボールを送ってあげる役割だと思う
その人が、こういう攻撃したいなっていう気持ちにを実現させてあげる―」
繋心
「………」
葵
「日向がちゃんとスパイカーになってきた
自分で、戦いたいのが当たり前だと思う
それを削いじゃったら日向、これ以上強くなることは無い
日向は見えているのに、それを無駄にしちゃ勿体無い」
繋心
「でも、ありえねぇ
お前は見えているのか?」
葵
「見えないよ」
繋心
「でもさっきやってたあれはなんなんだよ」
葵
「音駒に入ってた時の?
あれは、見ているんじゃなくて予測しているんだよ
こうすれば、レシーバーはこう動く
あそこには穴があきやすいから隙をついて打ってやろうとか
日向ほど私は見えていない
でも、日向の気持ちはわかる
サーブの時だけは、私も見ることができるから」