第49章 進化には何がいる?
「ナイッサァ!!」
他コートからの声援が聞こえる
森然高校と生川高校の試合
生川高校はサーブに力を入れている
『サーブこそが 究極の"攻め"』
対する森然高校
シンクロ攻撃で生川高校を翻弄する
正に『コンビネーションの匠』
別のコートでは音駒高校と梟谷高校が試合をしている
梟谷高校には、全国5本の指に入る大エース木兎さんという人がいる
『"全国"を戦う大エース擁するチーム』
そういえば、影山と日向の姿が見えない
外へ出たのかもしれないと思い、出てみると案の定そこには菅原さん、日向、影山が話をしていた
影山
「―それしか突破口が無いと思ったからです」
何の話をしているのかまったく掴めない
日向
「……青城戦のラスト、気づいてたら負けてた
気付いたら打ったボールはおれの後ろで床に落ちてた
おれが負けたのに影山に謝られるなんて嫌だ
空中での最後の一瞬まで自分で戦いたい」
影山
「――青城戦で、スパイカーの100%の力を引き出すのがセッターだってちょっとわかった
……あの速攻はお前の最大の武器だ
そんであの速攻にとって"ほんの少しのズレ"は"致命的なズレ"になる
あの速攻に、お前の意志は必要無い」
そう言って、影山は私のいるドアの向こう側へ歩いていった
あの影山が客観的な視点で日向に論じていた
葵
(影山が言っていることも一理ある
でも、セッターにはそれとは違うもっと大事な役割がある
影山、アンタは及川をずっと見てきたんでしょう?
アンタは今まで及川の"何"を見てきたの――)