第49章 進化には何がいる?
日向
「なぁ 影山」
影山
「あ?」
日向
「『ぎゅん!』の方の速攻
おれ 目え瞑んの やめる」
葵
「! ………へぇ」
日向は貪欲だ
その"欲"が雛に進化を齎す
コートの花形であれ
英雄であれ
エースであれ
勝ちへの貪欲に、自分こそが頂点であると
日向は、貪欲だ―
日向
「今のままじゃだめだ
おれが打たせてもらう速攻じゃ だめだ」
影山
「―それができなかったから普通の速攻を覚えたんだろ
何考えてんのか知んねぇけど話なら後で聞いてやる
でも今すぐそれをやるっつうならミスるとわかってる奴にトス上げるつもりは無ぇ」
葵
「これでお役目ごめんですかね……」
猫又監督に目配せをした
監督も笑いながらもういいぞ、と言った
音駒から離れ、私はまた皆を見る
監督は繋心の元へと行った
私もその後ろを歩いていく
行き詰まった顔をする繋心
目があい、ニヤリと笑う私
そこへ、武田先生がやって来た
武田先生
「皆さんはここに居るチームの中で一番弱いですね??」
にこにこした顔でそう告げる武田先生
私も繋心も少し驚いた
武田先生
「どのチームも公式戦で当たったなら とても厄介な相手
彼らをただの"敵"と見るのか
それとも技を吸収すべき"師"と見るのか
君達が弱いということは伸びしろがあるということ
こんな楽しみな事 無いでしょう?」
繋心
「今なんか先生みたいで頼もしかったぜ!
ありがとな!」
武田先生
「あっ……
僕 一応教師……ですけども」
葵
「繋心失礼だぞ」