第49章 進化には何がいる?
AM10:00
今度は音駒との試合
前日からの戦績は2対0で、烏野は負けている
葵
「…………」
研磨たちと戦いたい
音駒との試合の度、私はフラストレーションが溜まるのを感じる
もしあそこに私がいたら?
もしあの時、私だったらどうする?
ブロックは?アタックは?
もし私なら…………と、考えてしまう
私もあの舞台にたってチームに貢献したい
勝ちたい
みんなで
日向の速攻も、あの灰羽という背高ノッポ君に止められる
それが、あのインターハイでの最後を彷彿とさせた
負けさせたくない
ピーッ
烏野がタイムアウトをとった
繋心
「まぁ落ち着け
最初から速攻はガッチリ警戒されてんだから無理もねえ
取り敢えず音駒相手には東峰・田中のレフト中心で攻めてけ」
日向
「………」
葵
「繋心の………弱虫」
「津田ー」
向こうから私を呼ぶ声
その主は、猫又監督
ニンマリ笑いながら、パイプ椅子に足を組み、ついでに手も組んで正に監督の風貌
猫又監督
「ちょっとこっち来い」
葵
「? なんですか??」
猫又監督
「お前はどう思う
今の烏野」
葵
「……どうって言われましても」
猫又監督
「今のままで、いいと思ってんのか」
葵
「! ……正直、今のままじゃまた負けてしまいます
烏野は進化すべきだと思います」
猫又監督
「言うと思った
そこでだ、提案があるんだけどよ――」