第48章 ほどけぬ糸
研磨
「クロ!!」
黒尾
「! わりぃ」
研磨
「わりぃ、じゃない
早くしないとこのままじゃ葵が」
黒尾
「おい!誰か!!
救急車と救護の先生呼んできてくれ!!」
周りのやつが率先して動いてくれた
そんな中、こいつのチームの奴らは誰一人
動かなかった
黒尾
「おい、お前等
何をした」
「え?」と小首を傾げるそいつらに、もう一度
黒尾
「何をしたかって聞いたんだ
お前等、耳ついてんのか」
3年女子
「別に、その子が勝手に倒れただけよ
私達のせいって、決め付けないでくれる?」
黒尾
「ならなんで動かねぇんだよ
こいつが倒れたら誰か呼ぶのが普通だろーが」
キュウッと胸のあたりが引っ張られた感じがして、目を落とす
葵
「ヤメテ………… クロ………っ」
黒尾
「チッ」
俺はこいつが"仲間"の事を聞いた意味が分かった
同時にこいつが
"いじめられていた"ことも
研磨も分かった