第46章 デンジャラス アウェイ
・
・
・
・
土曜日の午後――
葵
「とりあえず、これでよし、と」
右手にメモを持って、私は左手のビニール袋と交互に見た
今日は、少し遠いスーパーが安売りをしているとのことで来ている
もちろん、誰に会っても構わないように女の子って感じの服装じゃない
たまにはスカートも恋しくなるが仕方がない
ダン…… ダン………
バシーン!!
どこかでよく聞く音が聞こえた
間違いない
バレーボールが床を打ち付ける音
知らず知らず、その音を辿ってある学校の裏門についた
葵
「ここからだ……」
ひょこっと体育館らしき建物の扉を覗き、中を伺う
やっぱりバレーをしていた
コロコロ………
トン
「すみませーん
それ、取ってくれないかな〜」
足元に転がってきたバレーボールを拾い上げ、渡そうとしたその瞬間
葵
「 あ 」
「葵ちゃん!!?」
あーはいはい
このオチね
ここ、青城なのか……
体育館やっぱりいつ見てもおっきー……
及川
「えっ、ちょ ムシ!?」
岩泉
「おいクソ川!!
お前また女と喋ってんじゃ………て、こいつ確か」
及川の後ろからやって来たのは及川と絶大なコンビネーションを取っていた岩泉
葵
「すみません、不法侵入してしまって
バレーしてる音がしたからつい……
岩泉さん……でしたよね?」
はい、と言って手元のボールを岩泉に渡す
岩泉
「烏野、今日休みなのか?」
葵
「テスト前なので……」
そのまた後ろから「なになに?」と二人の人がやってくる
及川
「すごいね!俺の存在感!!」