第46章 デンジャラス アウェイ
葵
「――――」
及川
「ちょっと、あんた何者なの」
及川の今までの声とはトーンとは比べられないくらいに落ちた
冷たく、感情のこもっていない声
私は、あまりの低さに一体誰が発したものかと驚き振り返ってしまった
彼の表情は、冷酷そのものだった
試合でも見せたことのないような睨みをきかせて。
葵
「………お、及川、さん?」
及川
「葵ちゃん、こいつ誰なの
知り合い?」
私には目を向けず、水落の方をまっすぐ見ている
葵
「………、」
こわい
純粋に思った
目の前までやってきたその男の背中はまるで、覇気が目にみえるように立っている
かのように見える
水落
「青葉城西のエース、及川君だね?
初めまして、バリボー編集者の1人の水落 蒼太郎です」
にこやかに微笑みながら、胸に手を当て自己紹介
水落
「彼女は僕がファンでして、聞いたところによると白鳥沢の牛島君とはいとこらしいですね?」
葵
「!」
及川
「! それ、本当なの?
葵ちゃん」