第46章 デンジャラス アウェイ
及川
「岩ちゃんは俺をどつく係だから、心配はしないかも」
葵
「そうですか?
絶大な信頼持ちのコンビって感じだったのに……
ま、内心は皆心配してくれますよ」
及川
「ありがと〜
葵ちゃんは何で泣いてたの?」
葵
「泣いてなんかいませんよ」
及川
「嘘だ〜
振り向いた時目真っ赤だったじゃん!」
葵
「ウルサイですね
私、帰ります。では」
及川
「えええええ
ちょ、待ってよ〜」
スト、と歩みをとめた
目の前には、見知った顔
「やあ」と微笑みながら片手を上げる
間違いない、水落 蒼太郎だ
及川
「? 知り合い?」
葵
「あなた達どちらも知りません」
及川
「ええ!?
ちょ、さっき会話したじゃん!!」
水落
「もう忘れたのかな?」
葵
「何ですか
どうしてまた会ったんですか」
水落
「そりゃあ今日は白鳥沢が試合だったからね
来ていて当たり前じゃないかい?」
葵
「そういうこと聞いてるんじゃないんです
どうしてこんな路地で会うのかと聞いてるんです」
水落
「君を待っていたから?」
葵
「またあの話ですか
もういいです、私急いでるんです」
水落
「聞いてみたよ、彼に
そうしたら、親切丁寧に答えてくれたよ」
葵
「だから?」
水落
「君の話も聞きたいなと思って」