第46章 デンジャラス アウェイ
シン……と静まる部屋
カリカリとシャープペンの芯と紙がぶつかり擦れあう音だけがする
葵
「よしっ、1ページ出来た!」
時計を見るとちょうど昼前を指していた
葵
「蛍、お昼どうするの?
何か持ってきた?」
蛍
「別に」
葵
「え〜と、何あったっけなぁ〜」
冷蔵庫の扉を開けて中を覗く
葵
「…………よし、焼きそば食べれる?」
蛍
「ふつう」
葵
「うわあ………
こんな息子、お母さんは毎日泣いてないでしょうか………」
蛍
「聞こえてるんだけど?」
私は知らぬふりをして台所に立った
包丁で料理を作る音が部屋にいつまでも残った