第46章 デンジャラス アウェイ
土曜日――
蛍
「ねえ、どうしたらこんな点数取れるの?」
葵
「えへへ〜」
蛍
「褒めてないんだけど」
午前10時30分
蛍は約束通り10時までにマンションに来てくれ、私の家に招き入れ、リビングの机を囲んで勉強をしている
そして、前回の定期テストを今、目の前の鬼に見せているのだ
蛍
「文系と理系の出来の差が開き過ぎでしょ」
葵
「理系の点数の取り方がわかんないんだもん」
蛍
「公式覚えて問題解けば簡単」
葵
「そんな簡単に言うけどねぇ!
覚えられないモンは覚えられないのっ」
蛍
「口動かしてないでその問題集の1ページ解いて」
葵
「うう………鬼。」
うーんうーんと唸りながらペンを進める
蛍はというと、持参した問題集を一瞥し、たまに紙とペンを取り出して解いている
蛍
「なに?わかんないの?」
葵
「えっ、あっ、べつにっ」
蛍
「…………ねえ、何かあったの?」
葵
「へっ?」
外した視線を元に戻す
ぶつかる視線
言ったほうがいいのか
葵
「…………青城と白鳥沢の戦いを見に行った
もちろん、病院帰り」
私はポツリポツリと話し始めた
あの時あったことを
言っちゃえばもしかしたら楽になるのかもしれない
そう思って、話してみた