第46章 デンジャラス アウェイ
「清水先輩!!」
明るく潔子様を呼ぶ声は振り向かなくても誰だかわかる
日向だ
隣の潔子様が振りむく
今日も潔子様の手伝いをしている隣の私も振り向いた
日向
「他のクラスのまだ部活やってない奴探してみました!!」
手には1枚の紙を持ってそれを潔子様に渡す
潔子様
「! ありがとう……!」
日向
「!! ハイ!!イイエ!!」
葵
(ハイイイエって……(笑))
日向のよくわからない言語に呆れていたけど隣の潔子様は笑っていて少々ショックを受けた私であった
私は潔子様に紙を借りて、少し名前とクラスを覚える
葵
「あの、清水先輩
僕、この上の2人ちょっと当たってきますね」
潔子様
「あっ、うん
お願い……!」
紙を潔子様に返し、先ほど記憶したお二方の訪問へ行った
練習を終えた部室では蛍を中心に勉強会が開かれていた
葵
(はぁ………
見つかんないなぁ……)
隣の日向がおずおずと蛍に紙を見せた
そこには今日したのであろう現代文の小テスト
文系は好きなほうだから自然と問題を読んでいく
どうやらことわざの問題らしい
問六
次の( )に当てはまる語句を入れ、ことわざを完成させなさい
(1)無慈悲な者にも、時に慈悲の心から、涙を流す ことがあるということわざ。
葵
(鬼の目にも涙、でしょ?
日向は……)
鬼の目にも(金ぼう)
葵
「……金棒……プフっ」
山口
「痛い!!」
影山
「お前 鬼に酷いんじゃないか」
蛍
「鬼に金棒だと思ったの??
問題文は読んでないのかな??」
葵
「てゆか、日向…… 『棒』くらい漢字で書きなよ」
日向
「うっせーなーもー!!
わかんなかったんだよ!!」
ダメだ、お腹痛い
笑いこらえるの必死で