第46章 デンジャラス アウェイ
個々の気合い溜めと、やる気を見た武田先生はニコリと笑った後、慌てて腕時計を見てから会議が始まると言って体育館を後にした
私はというと、東京への遠征に胸を踊らせる反面、どこか突っかかりがあった
前の練習試合でクロ率いる音駒に負けた
『次は勝ってやる』って、心に誓いながら別れた
私は何か変わっただろうか
1ヶ月間で、変われた?
少しでも、みんなの役に立てるようになった?
いや――
それは昨日の試合が証明しているではないか
確かに大地さんは私は悪くないって言ってくれた
でも、触れたんだ
指先が、ボールに。
ほんのちょっと早く飛び込んでいれば――
今、変わっていたのかもしれない
「ー!!ーーーっ! 津田っ!!!」
葵
「え、あっ、はい」
大地さん
「どうしたんだ?ボーッとして
具合悪いのか?」
葵
「いえ、大丈夫です」
大地さん
「そうか、ならいいんだが
ランニングいくぞ」
葵
「はい」
練習が終わり、部室を出たところ「葵!」と呼ぶ声
葵
「潔子様っ!!
どうしたんですか?」
内心、めちゃくちゃ舞い上がりつつも冷静、冷静
潔子様
「あの、ね………
頼みがあるんだけど……」
葵
「何でしょう!」
「あなたの望みならなんなりと!」と内心叫びながら
潔子様
「明日、ちょっと付き合ってくれる?」