第45章 To Next Stage→
6月3日 月曜日
インターハイ宮城予選3日目、最終日
昼前の、太陽がタクシーの窓から差しこむ
病院からの帰りの途中で、今は信号で止まっている
昨日勝っていたらきっと今日は白鳥沢と戦っているんだろうな
葵
「! すみません!やっぱり、仙台市体育館へ降ろしてくれませんか!?」
「え!?、分かりました」とタクシーのおじさんが答えてくれた
「ああ、そういえば今日決まるんだったね
春高進出校」
葵
「はい」
おじさん
「昨日のテレビで青城とから、何だったかな」
葵
「烏野です」
おじさん
「そうそう、烏野が戦ってるところみたけど
ありゃすごかった
久々に応援しながら熱くなったよ」
葵
「………そうですか」
おじさん
「特に黒い方に居たちっちゃい子2人!
あの子らは凄かった」
葵
「どう………凄かったんでしょう?」
おじさん
「なんていうか、迫力?っていうのかね
2人とも違う迫力があったんだよ
あ、着きましたよ」
葵
「ありがとうございます」
代金を払い、タクシーから出る
さっきの運転手のおじさんの言葉が気になったが、中の様子の方が気になったからそそくさと中へ入っていった
体育館の中、特に昨日自分達が立っていたコートの周りは張り詰めた緊張と、不釣り合いな熱気、歓喜、声援
観客席の一番前まで言って、コートの様子を伺う
よかった、まだやっていた
青城と白鳥沢の試合―――