第45章 To Next Stage→
はっと気づいて口元を手の甲で隠し、大地さんから離れる
気持ちが昂って、我を忘れて一人称を変えることすら余裕がなくなってた
大地さんにじっと目を見つめられる
私は、たまらなくなって目を逸らした
大地さん
「津田、どうなんだ?」
葵
「…………………すみません
実は、…………女です」
大地さん
「そうか…………
驚いたな……この写真、スコアラーの時のやつだろ?」
葵
「知ってるんですか?」
大地さんはベッドの側に立ててある写真を指差し、懐かしむような目で眺める
大地さん
「この写真を知らない奴はいないだろうからな
そっか………お前、あの津田 葵とは」
葵
「……すみません」
大地さん
「何で謝るんだよ
お前も旭病か?」
大地さんは優しい目をしながら笑う
聞かないんですね、私のこと
葵
「大地さん、ありがとうございます……
あの、私のことは菅原さんに聞いてください
一番、知ってると思いますから」
ニコリと微笑みながら大地さんに言う
大地さん
「そう………か
津田、本当のことを言ってくれてありがとう
このことは誰にも言わないからな」
最後にポンと私の頭に手を置いてから、私の家を「じゃあな、もうあんなことするなよ」と言って出て行った
私も「ありがとうございます」と答えて、手を振って送った
バタン―――
扉が閉まった
私はボスンとベッドに体を沈めた