第45章 To Next Stage→
みんなの背中が小さくなっていくのを見送った後、私は体育館の正面入り口へと向かった
本当はこんなこと、頼みたくはない
これは自分の問題でもあるし、自分が決意したことだ
だから、それを赤の他人に押し付けるのはいけないとわかってる
だけど、思ったんだ
あの人達なら、いつかやってくれるって――
入り口の側で背に持たれてぼんやりと下を眺めていると、中から明るい笑い声が響いてきた。
さっきまで殺気立った声をしていたとは思えない
「ッたー……ほんと岩ちゃん乱暴だよね!?―って、あれ?あそこにいるの」
私は、チラリとその人達を確認した
そして、シャンとおもむろに立つ
及川
「やっぱり!どうしたの?
こんなところで」
岩泉
「おいクソ川!走っていったと思ったらまたおん―
あ、えーーと、どうも」
葵
「どうも」
花巻
「え、なになにー?
女の子!?」
松川
「マッキー、あれ烏野の部員
さっき戦ったじゃん」
花巻
「あー、居たなーそいや
試合の時から思ってたけど線細くねー!?」
及川の後からゾロゾロと青城メンバーがやってきた
私は、岩泉さんに「どうも」と短く答えた
葵
「あの、ちょっといいです「及川!帰るぞ!!」―」
及川
「あーもう、ちょっと待ってくださいよ!
ん?なあに??」
葵
「………こんな事言うの何ですけど………
若を倒してください、私の代わりにおねがいします」
ちゃんと頭を下げてから「では」と言ってそそくさとその場を離れようとした
ら―――
グンッと後ろに引っ張られる衝撃で歩が止まる
及川
「待って!
ふぅ、返事いいかな?」
ゆっくりと私を前に向かせて、ジッと私の目を見る
その顔は真剣そのものだった
及川
「必ず、叶えるから」
私はニコリと微笑み、ありがとうございますと言って食事処のおすわりへ向かった
及川
「………今の、反則////」