第44章 ファイナルセット
同時刻―
影山
「悪かった 最後完全に読まれた」
日向
「謝ってんじゃねえよ!!」
影山
「!」
日向
「おれに……
おれに上げたのが間違いだったみたいに言うな!」
日向が影山に取っつかみ、怒鳴る
影山は、芝生の上に尻もちを付き日向の胸ぐらを掴んだ
「ミーティング始まってしまいますよ」
日向の後ろから声を掛けてきたのは武田先生だった
武田先生
「今日も素晴らしい活躍でしたよ 二人とも」
日向
「…………でも負けました」
武田先生
「確かに負けました
でも実りある試合だったのでは?」
納得できないらしく、日向は黙りこむ
「"負け"は弱さの証明ですか?」
この言葉に二人は顔を上げる
わからないと言った顔を上げる
武田先生
「君達にとって"負け"は試練なんじゃないですか?
地に這いつくばった後 また立って歩けるのかという
君達がそこに這いつくばったままならば
それこそが弱さの証明です」
座り込んでいる二人の手が、地面を押す
武田先生はニコリと微笑み、踵を返して歩いて行く
その後ろを日向と影山の二人は追いかけた