第43章 塵も積もれば山となる
影山が入ってきた
入ってきた途端、影山が不気味な笑顔を作った
チーム以上に驚く青城チームの皆さん
そりゃそうだ
この入学してから2ヶ月近く、影山のこんな笑顔を見た事が、ないようなあるような
とにかく、珍しいのだ
影山は交代してから変わったみたいだ
どうやら何かを掴んだような
そんな感じ
さっそくの影山のサーブはリベロから獲るほど落ち着いたものだった
新しく菅原さんから導入されたサインによって囮が捕まることがなくなる
烏野の逆転
烏野は調子を取り戻してきた
嬉しい
このまま順調にいって、みんなとオレンジコートに立ちたい
クロ達とも相まみえたい
だけど、ああ
身体は徐々に言う事を聞かなくなってきている
咳も少ないけど出てきている
でも、田中さんのためにも頑張らなくちゃ
サーブ権が今度は私に移った
「津田いけー!」と日向の声
ここで、ジャンプサーブはキツイかもしれない
いや、余力はまだまだあるけどもしかしたらもたないかも……
いや、弱気になるのはよそう
ピッ
笛の音が空気を震わせる
切り裂かれる喧騒
集まる視線
青城からの緊張、焦り、強張りが覗える
私は大きくボールを真上に上げた
そして、それを天井に向かってアンダーハンドサーブ
瞬間、チームの驚きの表情がこちらを見た
そりゃ、今までジャンプサーブだったのをいきなりアンダーハンドサーブ、通称天井サーブと呼ばれるものにしたから
取りやすそうでも、ネットの際に落ちれば取りにくい
けど、ルール改正で緩くなったから天井サーブの有効性は減少したけどね
結局、サーブはネットの際に落ちたけど拾われてしまった