第43章 塵も積もれば山となる
繋心の座る方を見ると、隣に影山が居た
旭さん
「スガ
次の一本俺に寄越せ 絶対決める」
葵
「菅原さん!わ………僕にも上げてください!
あと、ワンプレーじゃないです!
ここからでしょう!?」
旭さんに並んで私も声をあげる
旭さんは少し驚きながらもニコリと微笑んで私と同じように菅原さんを真っ直ぐ見る
菅原さん
「………!!
おう!!」
そうだ、まだまだこれから
これからなんだから
西谷さんがレシーブをする
それを、菅原さんがトス――
ヒュッ
バシンっ!!!!
葵
「っし!
菅原さん!今の凄く打ちやすかったです!!」
菅原さん
「おう、ナイス葵」
ニッと笑って頭にポンと手を置かれる
瞬間、私の顔が熱くなる
葵
(だめだだめだっ
今は試合中なんだからっ!!)
ブンブンッと頭を振る
これで少しは顔の熱も引くだろう
そして、大地さんが返球したボールに菅原さんがトス
旭さんが思いっきりたたき落とした
短い笛の合図
審判が腕を手前でくるりと回す
メンバーチェンジ
菅原さんがコートの外へ歩もうとした
それを、
「菅原さん、次はさっきよりもっと良いの上げてくださいね!!」
ニッと笑って菅原さんの背中に向かって言った
菅原さんの動きが一瞬止まって、私の方を振り返る
とびきりの笑顔で菅原さんはこう言った
「当たり前だべ!」