第41章 不屈のセッター
菅原さんが入ってからは、烏野もテンポを取り戻し、それどころか奇襲を成功させている
葵
「すごい……これが、菅原さんの3年間の賜物……」
コートへ入った日向も、連続でブロックポイントをきめている
山口
「スゲーッ
日向スゲーッ」
西谷さん
「今の多分スガさんの指示だなっ」
山口
「マジすか!?
スゲー さすが3年生!」
隣の影山を見ると、ずっと黙ったまま
葵
「影やm(ムグ!?」
縁下さん
「津田、今は影山には何も言わない」
葵
(ムー)
引っ掻き回される青城
菅原さんは、傍目から見ると1年にレギュラーとられた可哀想な3年生として映るかもしれない
でも、プレーが落ち着いている
冷静に状況を判断して、臨機応変、攻撃の先読み
全部、全部、コートへ立つためだけに今までを費やしてきたんだ
菅原さんは、烏野の不屈のセッターですね
3連続得点を稼いで、コートの真ん中で円陣を組んでいるチームを見て、胸が熱くなる
そういえば、私にはこんな光景見た記憶があまりない
私が居たから、何だかチームはギスギスしていたし、こんな風に心の奥から点を獲ったことに喜びを分かち合えたなんて、お世辞にも言えない
あそこに立っていないのにこんなに嬉しい
楽しい
菅原さんって、凄い
チームの大黒柱で、支えるのが大地さんなら
チームをまとめ上げるのが菅原さん
繋心が菅原さんを影山と交替させたのは、流れを切るためだろうけど、それ以上の効果がある
4強を混乱させているんだから
「「「龍!!!」」」
コートから緊張の声が飛んだ
そこには、足を抑えて片膝立てて座る田中さん――