第40章 坊主の底力
田中さんの声に驚いて皆が田中さんを見た
謝り、頭を下げる田中さんを
西谷さん
「龍!!
しょうがない事もあんだろ!
今のトスはムズかったし3枚ブロックだったし
俺もフォロー……」
田中さん
「俺 今、トス呼ばなかった!!!
一瞬ビビったんだちくしょう!!!」
また皆が驚く
田中さん
「後悔は試合終わってからくそ程する!!
大して取り得も無え俺が
てめーのミスに勝手に凹んで足引っぱってちゃどーしよーもねえ!!!
次は决めますっ」
繋心
「――……
今 それを言えることが充分取り得だ!!」
わはは!!と笑う繋心
それに対して田中さんが「あっ うス」とこたえた
繋心
「全然上がってないわけじゃないんだ
大きく弾きさえしなければ誰かがカバーできる!
コートには6人も居るんだからよ!
腕だけで取ろうとすると弾かれるから足動かせよ!」
「「「オス!!!」」」
田中さん
「…………」
葵
「田中さん」
田中さん
「おお、津田!
なんだよ」
葵
「田中さん、凄いですね
窮地に追い込まれてるのにいつものテンション保ってるって
て、大地さん達が話してましたよ」
田中さん
「お、おう」
めちゃめちゃ照れくさそうにする田中さん
葵
「大丈夫ですよ、先輩なら
強いですもん」
田中さん
「津田!今『先輩』って言った!?」
葵
「……言ってません
…………決めてくださいね、田中先輩」
田中さん
「〜〜〜!!
おう!任せろ」
グシャリと私の髪を撫でて、ニッカリ笑いながら田中さんはコートへ歩んでいった
その背中は心なしか、大きく見えた