第40章 坊主の底力
田中side
チィッ………
何心折れそうになってんだ……俺は
『大丈夫ですよ先輩なら 強いですもん』
『決めてくださいね 田中先輩』
俺は、強くねぇと思う
少なくとも津田、お前には正直負ける
俺はやっと、レギュラーになった
コートに立った
そしたら、今度は1年にお前が入ってきた
ビビった
スガさんの気持ちがわかる気がする
俺は、お前には負ける
お前の方が、強えもんな
けどよ、強いと思ってる奴に『強い』って言われたら……
なんか、なんでだろうな。
凄え何でも出来そうな気持ちになる
田中
「すんません
先 言っときます!!!
カバー頼みます!!」
オオッ
と言ってくれる大地さん、旭さん、ノヤっさん、日向、影山
"戦ってんのはお前だけじゃなく"
"烏野だ"
あの言葉は影山に向けられてたけど、
今の俺にも言われてる気がした
田中
「サッ来ォオい!!!」
腹の奥から叫ぶ
向こうから凄えサーブが俺に向かって飛んでくる
いや、曲がる
ドッフ
田中
「んぐっ」
俺は、腕じゃなく胸で受け止めた
威力を無くしたボールはポロリと落ちる
くっそ、落とす……
ボッ
日向が滑りこんで、繋いだ
日向
「ブシッ」
上がったボールを今度は影山が
影山
「ん らァ!!!」
向こうに返した
向こうのアタックを、今度はノヤっさんが拾う
田中
「レェェフトォォオ!!!」
さっき呼ばなかったぶん、思いっきり呼んでやる
ズダンッ
田中
「うおっしゃあああ!!!」
振り返り、控えにいる津田に親指をたてた
津田は、あの津田が笑った