第40章 坊主の底力
葵
「っ―!!
田中さんっ!」
ドキャッ
及川のサーブは田中さんの方へ猛烈なスピードで突っ込んだ
あんなの、リベロかレシーブ得意な人じゃなきゃ到底取れっこない
すかさず烏野はタイムアウトをとった
繋心
「上でいい!
セッターに返らなくても上に上げさえすればどうとでもカバーできる!」
田中さん
「うす!!」
葵
(田中さん、相当なプレッシャーだろうな……)
繋心
「ところで影山君よ」
影山の肩が大きく跳ねる
繋心
「さっきの"ツー"は
アレは何だね。」
影山
「すんませんした!
焦りました!!」
葵
「繋心、影山も自覚あるんだしあんまりつっかからないであげなよ」
繋心
「んまあ、自覚があんならいいけどよ」
葵
「影山、繋心はツーが駄目っていってるんじゃなくて、相手にこっちも手の数多いんだぞっていうのを認識させなきゃなんだ」
繋心
「おう
ツーは、読まれたらほぼ止められるしリスクが高い
使いどころは慎重に選べよ」
影山
「うす」
繋心
「あと
何と戦ってんのか忘れんなよ
"及川"じゃなく"青葉城西"だ
そんで、戦ってんのはお前だけじゃなく
"烏野"だ」
影山
「……うす」
葵
「繋心もたまにはいいこと言うんだね〜」
繋心
「たまにじゃなくしょっちゅうだ!」