第39章 王様VS大王様 夢(?)の試合
だけど――
向こうの拙い攻撃さえ、烏野に牙となり点数を徐々に広げられていく
それを"回避"させる事を影山は優先しようとした
結果、ツーアタックを畳み掛ける
葵
「なんでここでツー?
どうしたの……いつもの影山じゃない……
やっぱり、焦ってる」
影山の、ツーアタックは及川の手によってとめられる
日向の動きにあわせてブロックがとぶ
動きより、あれは……
サインに気づいている
空中で何とか回避した日向だが、やはり動きに合わせられたことで影山に焦りが走る
影山がサーブする
葵
「っ!」
サーブトスを前に少し上げ過ぎた
バレーでは、サーブの時にエンドラインを踏むと反則となる
やっぱり、いつもの影山じゃない
うまく切り替えて、何とかサーブは入ったもののそのピンチを逆にチャンスに変えられた
試合の慣れ方はやはり違う
あの及川の存在が大きい
だから、影山をここまで焦らせるのか
葵
「…………」
私に何が出来る?
コートに立っていない今の私に何か、何か出来ないの?
もどかしい………
そして、ここでまた及川のサーブ
もう西谷さんは狙わないだろう
誰に、打つのか
及川
「いつも威勢の良いムードメーカーが大人しくなった時の空気の重さったらないよねぇ」
狙ったのは
田中さんだった