第39章 王様VS大王様 夢(?)の試合
金田一
「? いや別に「いいんだいいんだ」
及川が金田一の発言を割ってさらに進める
及川
「中学時代 飛雄がお前を『あんま使えない下僕』だと思っていたとしてもな
この及川さんがな神業速攻なんか使わなくても『金田一はちゃんと強いんだぞ』と証明してあげよう」
この人はこういうところがある
及川
「安心して とべ」
金田一の背中をトンと押して定位置へ戻っていく及川
その背中に金田一は「は はい!」とこたえた
この人、こういうところはとても頼もしい
金田一は、こういった及川の頼もしさに敬いを感じているのである
もちろん、プレーにも尊敬している
国見はどうなのか、影山はどうだったのか知らないが
いや、影山は少なくとも及川のプレーには尊敬と憧れを抱いていたであろう
まあ、及川当の本人はすこぶる影山を嫌っていたように感じたが
しかし、影山をも尊敬させる選手なのだ
葵
「うん
やっぱり、違う」
そう、練習試合の時とはあの12番の打点が違う
澤村
「……なんだろうな……
気のせいかな
あの12番
練習試合の時より高く跳んでる気がする」
東峰
「ジャンプ力ってそんな短時間で伸びんのか?」
澤村
「……だから気のせいかもって」
影山
「………」
縁下さん
「高いよね………」
葵
「はい……
打点って、こんな短期間で伸びないはず……」
控えでも、コートの上にも
この謎がまく
及川1人によって、多くなる謎にチームには若干の焦りが見えてきた