第39章 王様VS大王様 夢(?)の試合
及川
「あいたー
やっぱ凄いなー」
岩泉
「何が"お手本"だ
普通に拾われてんじゃねーか!!」
及川
「うへへ」
「来いやっ」と日向が走っていく
及川
「………」
影山がライトの方をチラリと向く
そして―
ドッ―――
日向との連携が決まった
葵
「あれは研磨がやってたひっかけ……」
菅原さん
「やっぱ凄いな
一瞬目をボールから離してもあの正確さなんだからさ」
葵
「はい」
菅原さん
「そういえば、向こうの主将がさっき
サーブで西谷を狙ったけど、ミスかな?」
葵
「違いますよ」
菅原さん
「えっ」
葵
「逆に西谷さんを狙ったんですよ」
菅原さん
「っ!?」
葵
「リベロが取れないってだけで精神的にきますからね
それに、取れなかった本人にも」
菅原さん
「なるほど
考えてるんだな」
はい、と返事をしたところで気がついた
西谷さんは上げた
ということは、もう西谷さんを狙うことはなくなる
じゃあ、次は?
次は誰を狙うんだろう
金田一
「すみません
俺 ひっかかってばっかで……」
及川
「あの伊達工をも翻弄した烏野だからねー
まあ あの速攻捕まえる糸口は
ちょっとだけ待ってよ」
金田一
「?」
及川
「多分
もうすぐだから」
金田一には、及川の言っていることがあまり飲み込めなかった
なにぶん、普段からよくわからないことを言って岩泉に殴られる主将なのだ
「それより金田一よ……」とおもむろにしゃがんで靴紐を結び直す及川
及川
「『影山の相棒の座』をあのチビちゃんに奪われてさぞ悔しいことだろう」