第39章 王様VS大王様 夢(?)の試合
試合開始 5分前のことーーーーーーーーーー
「なあ 津田はあの青城の1番のサーブとったんだよな?」
もうすぐ始まるとのことで、壁に寄りかかりながら下を向き集中しようと仕掛けた頃
西谷さんが話しかけてきた
葵
「ああ、はい
とりました」
西谷さん
「どうだった?」
キラキラした羨ましそうな顔で問い詰められる
葵
「そうですね、……
難しかったですよ」
でも楽しかったですと付け加えた
西谷さん
「いいなー!
ちくしょう 俺も狙われてーなー
あ、スマン
集中するんだったな
悪ぃ」
葵
「あっ、待ってください!」
立ち去ろうとする西谷さんの腕を反射的に捕まえて彼を呼び止めた
西谷さん
「うぉっと!?
なんだよ」(笑)
葵
「西谷さん、多分及川はまず始めにあなたを狙うと思います
いや、もう十中八九狙います」
西谷さん
「何で分かるんだ?」
葵
「練習試合の時もそうでした
まず僕を狙って、あげれたら別の誰かを狙う
そう言ったスタイルでした」
西谷
(『これは僕の臆測ですが、
リベロを狙うことでとれなかった時のチームと、本人の精神ダメージを狙ってると思うんです
だから、
気を――……とってください』)
ドッ―――
及川のサーブが打たれる
西谷
(速、 すげえドライブ、 でも 正面、
い や
曲がるーーーーーーーー)
ドパッーー
フワリとキレイにあがったボール
そして、西谷さんのにっとした顔
葵
「やっぱり……
西谷先輩、ありがとう」ボソッ