第38章 決心
月島side
ペシペシッと、腕に遠慮がちに叩かれて起こされた
誰が起こしたんだ……
と思って目を薄く開くとそこには葵の顔があった
葵
「あっ、起きた
おはよう
着いたよ」
どうやら彼女はずっと起きていたみたいで、他の人達よりシャキシャキしてる
アクビで出た涙を拭いながらバスを降りる
すると、職員室から教員が武田先生を呼んだ
そして、バレー部がテレビに映っていると付け足した
職員室に入って、テレビを見るも
月島
「ローカルニュースじゃないですか」
おばんドゥースみやぎという名の番組だった
「うるせえ!
テレビはテレビだ!」
と田中さんと西谷さんに言われる
ローカルニュースに出てはしゃぐなら、葵が世界規模のテレビに映っていたのを知ってどうなるんだろう
テレビの中のアナウンサーが今日の試合を伝える
アナウンサー
「一方Iブロックは"大エース"牛島 若利君擁する"王者"
白鳥沢学園の初戦です―」
隣にいた葵の顔が急に険しくなる
なんでこんなに"牛島 若利"を嫌うのだろうか
アナウンサーの説明は続く
そして、最後に
「今年も王者が危なげなく全国への切符を勝ち取るのか
それとも
彼らを止めるチームが現れるのか!
注目ですね!」
そこで、白鳥沢に対する説明が終わった
それが終わった後
僕は確かに聞いた
葵が
「止めるのは
私だよ………若」
と呟いたのを