第33章 出陣ッ!!
「なあ あいつ、千鳥山の西谷だよな……?
中総体でベストリベロ賞獲ってた……」
「え!!そうなの!?」
「それだけじゃない……」
葵
(騒がしいなぁ……笑)
聞き耳をたてながら、うわさをする他校生の横を通っていく
「オイ アレッてアレだろ……
天才セッターって噂の――
北川第一の
"コート上の王様"……!?」
影山
「(ギロォッ)」
月島
「(プース)」
葵
(地獄耳……)
「じゃあさ! あいつは!?」
日向を指差す
「あっちの小さい奴も何か凄い奴!?
身長的にやっぱリベロかな!?」
「いや……アレはちょっと……
知らない」
葵
(嗚呼、日向ドンマイ)
きょろきょろしている日向を見た
「じゃあ、あのもっとちっさい奴は!?」
葵
(もっとちっさい奴って、私の事ッスか!?
ちょっとひどくね!?)
月島
「(プククッ)」
「あいつ、は………
わかんねーや」
「へぇ」
「でも、何か知ってる気もするんだけどなぁ」
「気のせいじゃねーの?」
「そーだな」
葵
(やっぱ、リベロとか思われてるのかな?
見た目で判断して欲しくないよね〜)
日向
「うおおお……!
人がいっぱいだ……!!
体育館でけぇっ……!
そしてっ
エアーサロンパスのにおいっ」
影山
「何言ってんだ オマエ」
日向
「このニオイって"大会"って感じすんだよ」
西谷さん
「わかる!」
葵
「なんか、初めてデパートに来た子供みたい……」ボソッ
西谷さん
「!」
皆が、振り向く
ジャージには【伊達工業】の文字
葵
(でかっ)