第24章 まさかのお呼び出し
影山
「トス、どうだ?
高いか?低いか??
何かあったら言ってくれ」
葵
「んー
無いよ
逆に打ちやすいし」
影山
「ほっ、ホントか!?」
嬉しそうな顔して聞いてくる影山
葵
「うん
次もよろしくね」ニコッ
影山
(キュンッ//)
(ーーーきゅん?)
第2セット目が始まる
葵
(次こそは止めてやるっ!)
私にトスがくる
打つ瞬間に、狙いを定める
が、違う方向へ打った
もちろん、失敗ではない
ブロックをそこへ移動させるための陽動作戦
案の定、視線の方に手の壁がずれた
だから、打ったのはストレート
孤爪
「葵、凄いね……」
黒尾
「まあ、俺達も凄ェけどな」
またトス
打つけど
「「「!?」」」
打ったボールは明らかに思い切り打たれてないのがわかる
かといって、フェイントを狙ったんじゃない
葵
(くっ
失敗した………
モロ突き指した指で打っちゃった)
薬指を浮かせたまま打っていたが、浮かせるのを忘れてしまった
葵の一瞬の苦悶の表情は、ネットを挟んだ黒尾と孤爪にはすぐに気づいた
ヘナヘナと跳ぶボールは拾われずに点に入った
床に着地した瞬間、指を見る
あからさまに悪化している
大地さん
「津田どした?
今の」
咄嗟に右手を背中に回して隠す
葵
「すみません、手が滑ってしまって……」
大地さん
「そうか
あんま気にすんなよ」
葵
「っス……」
そんな様子を見ていた黒尾と孤爪はお互いの顔を見合わせてはまた、葵を見るのだった