第24章 まさかのお呼び出し
互角でやりあった末、1セットとられてしまった
そして、今は休憩
右指の薬指を見ると赤く腫れ上がっていた
熱を帯びて熱いぐらいだ
葵
(これ、バレたら絶対下げられるよね……)
ボンヤリその指を眺めていたら
「………ん」
目の前にドリンクボトルがずいっと現れる
驚いて顔を上げると、差し出した人は蛍だった
慌てて右手を蛍が見えないところへ隠す
葵
「あ、ありがとう」
受け取ろうとしてハッとする
右手で受け取る→突き指がバレる→皆にバレる→下げられる→ナムサーン!!
頭にそんな考えがまわった
左手でボトルを受け取る
そして、本日2回目のハッ
あ、開けられん!!
蓋が開けられん!!!!
葵
(いや待てよ………
蓋を開けるのに使う指は、親指と人差し指と中指だから
小指で薬指隠しつつうまく開けよう!)
月島
「ねえ
さっきから何隠してんの」
葵
「べ、別に、何も」
黙って見つめられる
身長差で見つめるというより、見下す感じだけど(笑)
沈黙がいたい
葵
「ちょっと外行ってくる!」
耐え切れなくて、蛍にそう言い体育館を走って出た
体育館の外にも水道がある
そこで指を冷やした
葵
(喉かわいた……
この水飲めるよね?)
両手で水をすくって飲んだ
葵
「プハーッ
おいしー!」
しばらくしてからまた体育館へ戻っていった
影山
「あっ、津田
聞きたいことあんだけど」
葵
「? 何?」