第18章 2人の決断
スイっと自販機の向こうに居る声の被った人を覗く
菅原さんだった
菅原さん
「あ、津田
話の途中、でしたか?」
葵
「大丈夫ですよ
僕はもう、終わりましたから」
そう言って、去るも物陰に隠れた
いけないことだとはわかっている
盗み聞きなんて
しかし、菅原さんがどう切り出すのか知りたかった
菅原さん
「―俺ら3年には
"来年"が無いです
―だから、ひとつでも多く勝ちたいです
次へ進む切符が欲しいです
それを取ることができるのが俺より影山なら
迷わず影山を選ぶべきだと思います」
葵
(!!!
大体の人なら、3年だから出させてくださいって言うのに………
中学の頃だって、そう言ってた先輩をやまほど見た
なのに、菅原さんは…………)
驚愕していたのは、繋心もそうだった
そして、私はそこから離れた
菅原さんの決断………
葵
(バレーが好きで、チームで勝ちたいと願っているからなのかな………
私はどうだろう………
バレーは大好き
誰よりも上手くなって、チームを勝利へ導けるような選手になりたい
試合に出たい
中学で出れなかった分も
でも…………)
私は歩くスピードを緩め、俯いた
ポロリポロリといつの間にか涙がこぼれていた