第18章 2人の決断
葵
「ひっどいなー!
そんなの、目とか行動見てたら何考えてるかぐらいわかるでしょ」
繋心
「あっそ……」
葵
「なんか、それもそれでひどいよねー
で、もう1つの悩みの種は?」
繋心
「………」
(言うべきか?)
「お前ならさ、信頼性と強さ………
選ぶなら、どっちにする?」
葵
「迷うけど、私なら信頼性かな」
繋心
「なんでだ?
お前なら強さ選ぶと思ったんだが……」
葵
「ハイハイ、そうやって人を勝手に決めつけないでくださいねー(^^)
……私さ、中学の時試合にそこまで出れてないんだよね
なんでか、わかる?」
繋心
「心臓か?」
葵
「まあ、それもあるんだけど……
いじめにあってたの
テレビに出たからって、調子に乗るなーってね」
タハハと笑う
繋心
「そう……か」
葵
「いくら強くても、信頼性がなかったら繋がるものでも繋げられない」
真っ直ぐ見据えてそう言った
葵
「でも、人それぞれ考え方は違うんだし
繋心の思うようにすればいいんじゃない?
あの2人には、それぞれ違う信頼を持ってるんだし」ニッ
繋心
「………そうか
ありがとよ」
しばらくの沈黙
繋心は空になったブラックコーヒーを捨て、また買おうと自販機の前に立つ
私は窓にもたれてその様子を見ていた
しかし、さっきと同じことをしようと思う気になれない
それは、自分の中にひっかかっているものがそれを制しているのだと思う
「「あの」」
呼びかけた声が誰かと被った