第17章 迷子の雛ガラス
とりあえず、商店街内を歩いてみる
どこをどう出れば良いのか………
「おい!あそこにいるのって!!!」
向こうの方で男の人が叫ぶ声がする
セリフから考えると、迷子系か、はたまた刑事ドラマ系か………
ーーーーードドドドーーーーー
足音がだんだん大きくなる
葵
(やけに多いなあ………
こりゃ、刑事系だな)
勝手にそう決めつけ、フラリと歩いて行こうとしたら
「やっぱりそうだべ!!」
「ちょ!スガ早いょお!!」
「追いかけるよりまず足止めしたほうがいいんじゃないか!?」
などと聞こえてくる
うん、聞き覚えありすぎる声だ
菅&澤&東
「「「津田ーーー!!!!」」」
やっぱり………
なるほど、刑事系ではなく迷子系か………
大地さん
「よかった、ハァ……見つかって……ハァ」
菅原さん
「よっし!1品追加!!」
旭さん
「おおー……ハァ、ハァ」
葵
「あの、他の人達は?」
大地さん
「お前と日向を捜しにいったんだ」
葵
「僕も迷子扱いですかっ!?」
大地さん
「実際迷子だっただろ」
旭さん
「まあまあ、無事見つかってよかったじゃん」
菅原さん
「なあ、津田!
麻婆豆腐、作れるか?
豆板醤(トウバンジャン)と花椒(ホワジヤオ)で辛さとか調整出来るようにして!」
葵
「えっ、あっ、後半ちょっとわからないですけど麻婆豆腐なら作れますけど……
あの、どういうことですか?」
大地さん
「えーと、まあ田中の提案で日向と津田見つけたら、晩飯のおかずを好きなもの1品作ってもらう、という―」
葵
「え"っ……
もしかして、僕が作るんですか?」
旭さん
「日向を見つけたら、武田先生が作ってくれるよ
津田は料理得意みたいだから、津田を見つけた時は津田に作ってもらうんだ」
葵
(ま、まじか………)