第17章 迷子の雛ガラス
黒尾side
研磨が迷子になっちまった
よくもまあ、知らない土地を出歩けるもんだな、あいつも……
捜している道中、ゲームをしながら歩く男の子を見つけずっと後ろをついてきた
決してストーカーとかいうものじゃねぇ
『類は友を呼ぶ』て言うからついてきただけだ
何となく、研磨と重なったからな
そんで、ついたところは商店街
その子は、まだシャッターの閉まっているゲームセンター前にとまり誰かを待つ
俺は少し離れたところのガードレールにもたれていた
すると、向こうに見覚えのあるような奴がいた
(なんか、見覚えあるんだけどなあー
あのヒョロっちい奴………
体だけなら葵に似てるな……
まあ、あいつが東京離れた時はもうちょい髪の毛長かった気がするし
それに今頃合宿とかでこんなとこ1人で、うろちょろしてるわけもねーか)
なんだか、離れてからまだ何ヶ月としか経っていないのに懐かしく思う
なんとなく、
なんとなくだが、
会いたい
いや、なんとなくなんつったら嘘になるか
会いたい………葵
研磨、捜さねーとな……