第17章 迷子の雛ガラス

葵side



ああ…………
もう完全にここがどこなのかわからない



振り返ること20分前―





「あれっ、えっと…………
どっちだったっけ……………」


道が入り組んでいて、もはや自分がどっちから来たのかわからなくなっていた


「記憶力には自信あったんだけどなぁ……

しょーがない！こうなったら神頼み！！

どちらにしようかな天の神様の言うとおりっ


……………鉄砲つけるのかな？これ

というより、最初は神様に頼んどいて次は柿の種に頼るんだよね、

なんか、ランク下がりすぎじゃない？？」


なんて1人でぶつくさ呟く


ｰｰｰｰｰチリリンｰｰｰｰｰ


小さな鈴の音が聞こえた

その元を探ってみると、そこには猫がいた


「首輪しているから、飼い猫かな？

なんか、真っ黒でクロみたい」ﾆｺｯ

懐かしい思いでその黒猫を撫でる

ゴロゴロと気持ちよさそうに鳴くクロ猫



そして、その猫ちゃんは立ち上がりコチラを見つめながら歩いて行く

「………！ついてこいって？
いってるの！？

よっし！ここは着いていこう！！」



そして今に至る

今思えば、バカだったとは思う

犬じゃないんだし、そんな、ここ掘れワンワン的な感じで日向が見つかるわけでもなかった


おまけに余計に迷ってしまう羽目に……



さっきよりは人気の多い所にはいる

商店街に、今私はいる



そこで、見た

（あれ？なんか、あの赤ジャージの人……
頭だけならクロに、似ている気がww

でも、クロは東京だし

赤ジャージか………
どこの高校なんだろ）